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大規模修繕工事中の騒音を軽減する方法💡

大規模修繕工事

大規模修繕工事中の騒音を軽減する方法



マンション大規模修繕工事が始まると、建物の周りに足場が建ち、普段と異なる生活動線になったり、各工事の音やニオイが気になるようになったりと居住者の皆様にも少なからず影響が生じます。

今日はそんな大規模修繕工事の影響の中でも、<騒音>についてご紹介をしたいと思います。


どんな時に大きな音が発生するの?

大規模修繕工事において、特に大きな音が発生しやすいのは、『足場仮設工事』と、『下地補修工事』の2つのタイミングです。

足場仮設工事中に発生する音の種類・発生期間

1.足場資材(主に金属製の鋼管)をハンマーで叩く音

▲くさび緊結式足場のイメージ

一般的に足場は足場資材と呼ばれる金属製の鋼管や敷板などを組み立てて設置されます。

足場にも種類がありますが、現在、主流となっているのは『くさび緊結式足場』と呼ばれるもの。

足場資材(金属製の鋼管など)をハンマーで叩いて固定したり、緩めたりして足場を組み立て、解体する方式です。

そのため、足場の組み立て・解体時に、金属製の足場資材をハンマーで叩く音が発生します。



2.アンカー固定のためにコンクリートの壁にドリルで穴をあける音

▲足場と外壁をアンカーで連結する様子

足場の倒壊や変形を防ぐために、外壁にアンカーを取り付け足場と外壁を固定します。

固定アンカーを取り付ける際、ハンマドリルを使ってコンクリートに穴をあけるため、建物に大きな音が響きます。

足場仮設工事の期間は、建物の規模や形状にもよりますが、1週間~1か月程で、その間、断続的に音が発生します。


下地補修工事中に発生する音の種類・発生期間

1.タイル張替え時のサンダー(電動カッター)の音やハンマドリルの音
 
▲サンダーで目地に切り込みを入れる様子


▲タイルを斫る様子


タイルの大きな浮きが確認できた場合、タイルを張り替える補修が一般的です。

タイルを張り替える場合は、サンダーでタイル目地を切る音や、コンクリートに接着したタイルを削り取るハンマドリルの音が発生します。

特に斫り作業はコンクリートの躯体からタイルを削り取るため、建物に大きな音が響きます。


2.下地補修(Uカットシーリング工法など)時に外壁をサンダーで削る音

▲サンダーで外壁を削っている様子


0.2mm以上のひび割れの場合はUカットシーリング工法による補修が一般的です。

Uカットシーリング工法は、ひび割れ部分をサンダーで削り、樹脂で埋め戻す手順のため、外壁をサンダーで削る音が発生します。

下地補修の期間はタイル張り替え箇所の有無や、補修数量、補修方法によっても様々。下地補修工事の期間に断続的に音が発生します。


大規模修繕工事中の騒音を軽減する方法

大規模修繕工事中に音の発生をゼロにすることはできませんが、音の発生をできるだけ軽減させるための対策をとることは可能です。

ここでは、大規模修繕工事中の音の発生を軽減するための方法をご紹介していきたいと思います。


足場の種類を『枠組み足場』や『単管足場』にする

一括りに足場といっても実は様々な種類が存在しています。

主流とされる足場は3つ。

【単管足場】
鋼管(鋼鉄製の管)と継手金具、緊結(きんけつ)金具を組み上げてつくる足場。

【くさび緊結式足場】
くさびのついた支柱に、ブラケットや筋交い、階段などの部材をハンマーを使って打ち込んで組み上げていく足場。
ハンマーで鋼管を叩いて固定するため大きな金属音がする。「ビケ足場」とも呼ばれる。

【枠組み足場】
門型に溶接された足場部材に筋交い、鋼製布板などをジョイントピンなどを使用して組み上げていく足場。
ハンマーの打ち込みがないため、くさび緊結式に比べ音の発生が少ない。

この中でも、特にハンマーで叩いて単管を固定させる「くさび緊結式足場」は組み立て時の音が大きくなります。

少しでも音を軽減したいのであれば、「くさび緊結式足場」ではない足場を検討するなど、工事の相談や見積りの段階で施工会社へ相談してみることも、対策の一つです。

ただし、使用できる足場の種類は、建物の形状や規模によっても制限があるため、必ずしも要望通りの選択ができる訳ではありません。

また、アンカー固定時のハンマドリル音については、ハンマドリルを使用せずに穴をあける方法がないため、残念ながら対策がないのが現状です。


タイルをできるだけ張り替えない補修方法を選ぶ

タイル張り替え補修の場合、サンダーの目地切りやハンマドリルを使ったタイルの斫り作業が生じます。

特に斫り作業はコンクリートの躯体からタイルを削り取るため、建物に音が響きます。

そのため、タイル浮きの補修の中でも、タイルを極力斫らないで補修をする工法を選定することが、音の軽減に繋がります。

例えば、プレスダウングラウト工法ならタイルをできるだけ張り替えず、タイルの目地に樹脂を注入して剝落を防止することが可能です。※タイルの張替がゼロになる訳ではありません

樹脂注入時に目地にドリルで穴をあける音が発生しますが、斫り作業時の建物内に響く音と比べると、その音は小さいものになります。

また、クリアウォール工法なら、特殊な材料で外壁のタイルと目地をコーティングすることで漏水を防ぐことが可能です。※タイルの張替がゼロになる訳ではありません

いずれも、極力タイルを張り替えないで補修する工法のため、斫り作業による音の発生を軽減することが可能です。


穴あけ用のドリルを無振動ドリルに変更する

もう一つ、できる対策は、穴あけ用ドリルを無振動ドリルに変更するという方法です。

 
▲無振動ドリルでタイルに穴をあける様子


これは、タイルの目地に穴をあける作業がある樹脂注入による補修や、タイルに穴をあけてピンを打ち剥落防止をする補修にも有効です。

無振動ドリルは、ドリルの先端から冷却ガスや水を出しながら穴をあけるため、一般的な穴あけ用ドリルと比べ、振動が少なく、音の発生も小さいものになります。

一般の穴あけ用ドリルと無振動ドリルの作業音を比較した動画もぜひご覧下さい。


▼『どうにかできないの!?工事の騒音【無振動ドリルによる騒音の低減】』



このように、下地補修工事では、できるだけタイルを張り替えない補修方法を選定することや、使用するドリルを無振動ドリルへ変更することで、工事中の騒音を軽減することが可能です。


それでも工事の音が気になるときは・・・

様々な対策をしたとしても、大規模修繕工事中に音の発生をゼロにするということはできません。

前の項目でもご紹介したように、工事が始まる前から、音が発生しずらい補修方法や工具などを選定することも一つですが、それでも、音が気になるという時や、すでに工事が始まってしまっている時には、個人でできる対策も検討してみてください。


窓・カーテンを閉める


 
窓だけでなく、カーテンも閉めることで、防音効果が高まります。大きな音が発生する作業時には、事前に窓やカーテンを閉めておきましょう。


大きい音が発生する作業の間は外出の予定を組む



大きな音の発生する作業が行われる時には、事前に「工事のお知らせ」が配布されます。

作業日時を確認したら、その日に合わせて外出の予定を組んでしまうのも一つです。


ノイズキャンセリング耳栓やイヤホンを使用する



最近では周囲の不要な雑音を打ち消す機能が備わった耳栓やイヤホンも販売されています。

工事の騒音対策だけでなく、勉強中や読書など日常使いができるものを一つ購入してみてもいいかもしれません。


まとめ

大規模修繕工事中は「足場仮設工事」「下地補修工事」で特に大きな音が発生します。

工事の検討段階で「足場の種類」、「タイル補修の工法」、「無振動ドリルの使用」など音の発生しづらいものを選ぶことが、騒音対策の一つになります。

それでも音が気になるときは「窓を閉める」、「作業に合わせて外出する」、「耳栓を使ってみる」など個人でできる対策を試してみましょう。





いかがでしたでしょうか。

今回は大規模修繕工事中の騒音を軽減するための方法についてご紹介をさせていただきました。

これから大規模修繕工事を検討されている方や、大規模修繕工事の真っ最中の方にも、この内容が、少しでもお役に立てば幸いです🙇‍♀️


「大規模修繕に関する知識をもっと身に付けたい」「大規模修繕の施工事例を見てみたい」「概算費用を知りたい」という方は、こちらのページもぜひ参考にしてみて下さいね✨

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