【現場レポ】シーリング工事
【現場レポ】シーリング工事
こんにちは😊
今回は東京都豊島区マンション大規模修繕工事の現場から、シーリング工事の様子を現場レポートとしてお届けしたいと思います。
※シーリング工事はコーキング工事ともよばれます。
シーリング工事とは
建物の目地(壁と壁の継ぎ目部分)や、玄関や窓などのサッシの廻り(壁とサッシの隙間)に施されるゴム状の止水材のことをシーリングといい、劣化したシーリングを撤去し、新たにシーリングを打設(目地の隙間にシーリング材を充填)する工事のことをシーリング工事といいます。
※シーリングを打設しているイメージ
シーリングの役割とは
外壁目地やサッシ廻りの隙間にシーリング材を充填することで、建物の防水性や気密性を高め、建物を雨水の侵入から守る大事な役割があります。
建物を観察してみると、実に様々な場所にシーリングが施されていることが分かります。
シーリングが施されている箇所
外壁目地シーリング(タイル面)
外壁目地シーリング(塗装面)
サッシ廻りのシーリング
建具周りのシーリング
シーリングの劣化サイン
シーリングは経年により、紫外線や温度変化などの経年による影響で、ひび割れ、収縮、軟化、シーリングの破断、剥離といった様々な劣化症状が生じるようになります。
シーリングのひび割れ
シーリングの軟化
触るとベトベトして指に付着します。
軟化したシーリングが垂れて外壁や建具を汚してしまうケースも。
また、このようにシーリングの劣化が進行すると、シーリングと外壁やサッシなどの間に隙間が生じ、建物に雨水が侵入し漏水を引き起こす恐れがあります。
建物を雨水の侵入から守るためにも、定期的な点検を実施し、適切な修繕工事をすることがとても大切です。
シーリング工事の施工の流れ
シーリング工事の基本的な施工工程はこのようになっています。
1. 既存シーリング撤去
2. 養生設置
3. プライマー塗布
4. シーリング打設
5. へら押え・養生撤去
6. 完了
それでは実際の作業の様子を見ていきましょう。
今回は、職人歴17年のベテランの職人さんの作業に同行させてもらいました😉
1.既存シーリング撤去
まず初めに、既存のシーリングを撤去していきます。
こちらは外壁目地のシーリングです。
塗装面外壁目地のため、シーリングの上から塗装が施されている状態です。
カッターでシーリングと外壁の間に切り込みを入れ、ペンチなど使って古いシーリングを引っ張り撤去します。
サッシの廻りのシーリングも同じように撤去していきます。
シーリング撤去前の様子。
カッターで切り込みを入れ、引っ張りながらシーリングを撤去します。
こちらは建物基礎巾木と外壁の取り合い目地のシーリングを撤去しているところ。
2.養生設置
既存のシーリングを撤去し終えたら、次は養生を設置していきます。
シーリング材を目地以外の箇所に付着させないよう、マスキングテープをつかって養生をしていきます。
こちらは建物基礎巾木と外壁の取り合い目地部。
基礎巾木にシーリングが付着しないように基礎巾木の部分にのみ養生テープをしています。
(塗装面に養生テープをしていない理由は後ほど説明いたします。)
こちらはガラリ廻り。ガラリ本体にシーリング材が付着しないように養生テープを張ります。
サッシ廻り。サッシにもシーリングが付着しないよう養生テープをはります。
3.プライマー塗布
養生の設置が終わったら、次はプライマーを塗布していきます。
プライマーとはシーリング材の接着性を高めるための下地処理材のこと。
プライマーを塗ることで、外壁やサッシ廻りなどの部分とシーリング材をしっかり密着させ、シーリングを剥がれにくくする効果があります。
目地サイズに合わせて小さめの刷毛を使い、シーリングを撤去した目地の中にプライマーを均一に塗布していきます。
プライマーを塗布後、乾燥させたら、シーリングを打設(充填)することができます。
乾燥時間は気候条件によっても変わるそうで、夏場のよく晴れた日であればより早く乾燥するそうです。
4.シーリング打設
プライマーの乾燥後、シーリング打設(目地へシーリング材を充填する作業)をおこないます。
シーリングガンと呼ばれる専用の器具を使って、目地の中へシーリング材を打設していきます。
この現場では2成分系と呼ばれる主剤と硬化剤を混ぜて使用するタイプの材料を使用しています。
ペール缶の中には攪拌したシーリング材が入っており、シーリングガンの先端から材料を吸い込むようにしてガンにセットします。
シーリングガンにシーリング材を吸い込む様子。
シーリングガンのハンドルレバーを握り、シーリング材を射出していきます。
タイミングよく動かしながら外壁目地にシーリング材を充填していきます。
外壁目地やガラリフード廻りにも続けてシーリングを打設していきます。
サッシ廻りにもシーリングを打設します。
足場内は狭いのでシーリングガンを取りまわすだけでも大変そうです。
ここでシーリングの職人技をご紹介✨
シーリングガンの中の材料がなくなると、再びガンにシーリング材を吸い込み、打設する作業を繰り返します。
しかし、ペール缶の中の材料がだんだん少なくなってくると、材料がうまく吸い込めなくなってきます。
そうした時は、へらでシーリング材料を集めて、ガンの中に手作業で材料を入れていきます。
シーリングガンのノズルを外し。
へらでペール缶のシーリング材をかき集め。
ガンの中にシーリング材をこぼさないよう(余計な空気を入れず)に器用に収めていきます。
まさに職人技!😮👏
5.へら押え(へらおさえ)・養生撤去
一定範囲にシーリングを打設し終えたら、へら押えの作業をおこないます。
打設したシーリングをへらで押さえることで、シーリングを目地の中に行き渡らせ、表面を平らに仕上げることができます。
表面が平滑に均一に仕上がるよう、絶妙な力加減でへら押えをしていきます。
職人さんはとても簡単そうに作業をするのですが、シーリングは見た目以上に技術がいる作業。
慣れてない人がやるとシーリングの表面が凸凹になってしまうそうです。
へら押えで、余分なシーリングをすくい取り、余ったシーリングはロスコップ(ロスベラ)と呼ばれるスコップ状の器具に集め、ペール缶へ戻して再利用します。
こちらはタイルと塗装面の取り合い部の目地。
タイルにはシーリングが付着しないように養生テープをしていますが塗装面はあえて養生テープを貼っていません。
このような凸凹としたパターンがある塗装壁で養生テープをすると、養生テープをはがしたときにシーリングが「つらら」のようになってしまうことがあるため、養生はせずシーリングを薄く塗り広げるように仕上げるのだそう。
(この現場ではシーリングの上から塗装を行うため見た目の仕上がりにも影響はありません。)
へら押えをしたら、養生テープを剥がします。
シーリングが硬化する前に養生テープを剝がすのがポイントです。
(シーリングが硬化すると養生テープにシールが張り付いてしまい、養生テープを剥がす際にシーリングごと引っ張ってしまうため)
ガラリフード廻りのへら押え。
曲線になっているので、より力の加減が難しい箇所。
へら押え後に養生テープをはがすと、キレイな見切り線に仕上がりました。
サッシ廻りのへら押え。
特にへら押えで技術がいるのがサッシ廻り目地と外壁目地が一体化している箇所。
キレイに角度を付けて仕上げるのはまさに熟練の技!
6.完了
こうしてシーリング工事が完了しました✨
(塗装面のシーリングは塗装を行い仕上げます。)
以上、マンション大規模修繕工事の現場からシーリング工事の現場レポートをお届けしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇♀️
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