【現場レポ】アスファルト防水~改質アスファルトシート防水・常温粘着工法~
【現場レポ】アスファルト防水~改質アスファルトシート防水・常温粘着工法~

こんにちは😄
今回は東京都豊島区のマンション大規模修繕工事で実施した、改質アスファルトシート防水・常温粘着工法の施工の様子を現場レポートとしてお届けしたいと思います。
改質アスファルトシート防水とは
改質アスファルトシート防水とは、基材となる合成繊維不織布に改質アスファルト(ポリマーや樹脂などの添加物加え耐摩耗性や耐流動性といった性能を改善したアスファルト)を含浸させたアスファルトシートを貼り重ねて防水層を形成する防水工法のこと。
改質アスファルトシート防水は施工方法にも種類がある
さらに、この改質アスファルトシート防水は「常温粘着工法(冷工法)」、「トーチ工法」、「機械固定工法」と施工する方法によっても分類することができます。
<常温粘着工法(冷工法)>
改質アスファルトシートの裏面の剥離フィルムを剥がし粘着層を下地に接着させ、シートを貼り重ねる工法。冷工法ともよばれます。
熱や火器を使わないのでニオイや煙が発生せず、溶融窯やトーチなどの機材を使用しないため作業性がよいのが特徴です。
<トーチ工法>
改質アスファルトシートの裏面をトーチバーナーで炙り、アスファルトを溶融させてシートを接着させ、貼り重ねる方法。

<機械固定工法>
改質アスファルトシートをディスクとアンカー(固定器具)で機械的に固定し、シートを貼り重ねる工法。
下地の状態に左右されず施工ができる。アンカー固定をする際に騒音・振動が発生する。
(2)-300x200.jpg)
画像出典:日新工業株式会社 改質アスファルトシート機械固定工法「メカトップ工法」より(2025.10.20アクセス)
今回の工事では既存防水層が露出アスファルト防水だったことから、田島ルーフィングの環境対応型改質アスファルトシート防水・常温粘着工法『ガムクール』にて施工をすることにしました。
環境対応型改質アスファルトシート防水・常温粘着工法『ガムクール』
「ガムクール」とは田島ルーフィング(株)が製造・販売している改質アスファルトシート「ガムクール」を用いた改質アスファルトシート防水工法の総称です。
.jpg)
画像元:田島ルーフィング「ガムクール」カタログより
環境対応型改質アスファルトシート『ガムクール』の特徴
ガムクールの特徴は「粘着持続性」・「水密性」・「優れた環境性」が挙げられます。
◎高い粘着持続性・水密性
通常、常温粘着工法に用いられる改質アスファルトシートは、改質アスファルト層と粘着層を積み重ねた層状になっています。
ガムクールはこの粘着層部分に常温ゴム化アスファルト粘着剤「ガムロン」が使用されており、ガムロンの下地への強力な接着力と粘着持続性、流動・変形する性質により、高い水密性を確保することが可能となっています。
◎環境性能
他の防水工法と比較し、常温粘着工法のガムクールは製造時や施工時のCO2発生量が少なく、環境性にも優れた工法です。

画像元:田島ルーフィング「ガムクール」カタログより
砂付き仕上げ・複層工法(GSS-2S)
今回は既存防水層が露出アスファルト防水でフクレが複数個所に確認できましたので、ガムクールの施工方法の中で砂付き仕上げ・複層工法(GSS-2S)を選定しました。
施工の流れ
改質アスファルトシート防水「ガムクール」の砂付き仕上げ・複層工法(GSS-2)の施工手順は、
施工前 → リベース塗布 → ガムクールFS → ガムクールキャップ → 保護塗料となります。
※屋上防水は通常、立ち上がりや平場など施工部位を分けて施工します。今回の現場レポートでは平場の施工シーンをレポートとしてお届けしています。
①施工前
②リベース塗布
まず初めに、既存の防水層に下地活性材「リベース」を塗布していきます。

下地活性材のリベースを既存アスファルト防水層の上に塗布することで新規のアスファルト防水層との接着力を向上させることができます。
コテを使って均一に塗り広げます。

リベースの塗布が完了した様子。

③ガムクールFS貼り付け
次に「ガムクールFS」を敷いていきます。

ガムクールFSは複層工法の1層目に使用するシート。
裏面(粘着面)がストライプ状になっており、フクレの原因となる水蒸気の逃げ道となっているのが特徴です。

表面はこのようなフィルムとなっています。

ガムクールFSを貼っていきます。

シートを貼り重ねていきます。

④ガムクールキャップ貼り付け
ガムクールFS(一層目)の施工が完了したら、次は複層工法の2層目となる「ガムクールキャップ」を貼っていきます。
ガムクールキャップは、裏面が粘着層、表面が写真のように砕石砂が付いたシートになっています。

貼り付け位置を確認し、シートを貼り付けていきます。

シートを貼り重ねていきます。

シートの中央から上下に向かって転圧ローラーを転がし、シートの中の空気をしっかり抜きます。

貼り重ねたシートの継ぎ目(端末部分)に「GCライン」というシール材を打設していきます。

GCラインをシートの端末(継ぎ目)に打設したら、へら押えをしてしっかり密着させます。

GCラインによる端末処理が完了しました。

⑤保護塗料
最後に、保護塗料の「SPファインカラー」を塗布します。
SPファインカラーはアクリル樹脂を主成分とするアスファルト系防水専用の塗料で、日射反射率50%以上の高反射塗料です。
高反射の保護塗料を塗ることで温度上昇を抑え防水層を保護することができます。
カラーラインナップはライトグレー、マットシルバー、ライトブラウン、ミントグリーンの4種。今回はマットシルバーを使用しました。

ローラーで満遍なく塗布します。

⑥施工完了
※今回は既存の防水層にフクレが見られたため、フクレの原因となる水蒸気を排出するための脱気筒の設置もおこなっています。
BEFORE・AFTER
改質アスファルトシート防水・常温粘着工法(ガムクール)により、防水層を新たに形成し、建物の防水性能をよみがえらせることができました✨
これにより漏水のリスクを防ぎ、大切な建物を長期的に守ることができますね😊
以上、マンション大規模修繕工事の現場から改質アスファルトシート防水・常温粘着工法の現場レポートをお届けしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇♀️
第一リフォームでは『建物のあらゆるニーズに技術と創意でお応えします』をモットーに、より良い施工品質でお客様に満足いただける工事をご提供しています。
修繕・改修に関する無料相談も承っていますので、ぜひ気軽にお問い合わせください😉💻
こちらもあわせてご覧ください
「他の事例も見てみたい」、「大規模修繕に関する基礎知識をもっと知りたい」、「実際どのぐらいの費用がかかるのか知りたい」という方は、こちらのページもぜひ参考にしてみて下さいね💻✨
▶施工事例



