【現場レポ】塗装工事~魔法ローラーによる肌合わせ~
塗装工事~魔法ローラーによる肌合わせ~
こんにちは😄
先日、当社の工事部スタッフより「魔法ローラーで肌合わせしたよー」と施工写真を送ってもらいました📷✨
「肌合わせ」は塗装工事の中でも仕上げに関わる重要な工程。
今回は塗装工事の「肌合わせ」と「魔法ローラー」についてご紹介をしたいと思います✨
塗装工事の「肌合わせ」とは
既存の塗装面と補修した部分の塗装面の見た目をなじませる(模様や質感を合わせる)作業のことを「肌合わせ」と言います。
「肌合わせ」をする理由
①外壁の塗装面は様々な模様で仕上げられている
新築時、外壁の塗装面は「リシン」、「スタッコ」、「ゆず肌」など様々な種類の模様が施されています。
これらの模様は建物一つひとつの個性や表情を生みだし、デザイン性や美観を向上させる役割を持っています。
塗装模様の種類例
<リシン>
<スタッコ>
画像元:エスケー化研サイト ソフトスタッコより
<ゆず肌>
②補修工事をすると塗装面の模様が失われる
経年により、建物外壁にひびが入ったり、モルタルの一部が欠損してしまったり、塗装部が剥がれてしまったりすると、劣化箇所を補修する補修工事が必要となります。
補修工事では、ひび割れ部や欠損部をモルタルで埋め直したり、剥離した塗装面を削り取る作業が行われ、その際、塗装表面の模様や凹凸が失われます。
補修をした後の塗装面
外壁塗装面のモルタル脆弱部を撤去し、新たにモルタルを充填した状態
③「肌合わせ」をすれば補修箇所の見た目を整えることができる
下地補修後、肌合わせをせずに、そのまま塗装をした場合、塗装した箇所は平滑でのっぺりとした印象に仕上がります。
そのため既存面と補修面で模様や質感の見た目に大きな差が生じ、仕上がりの印象にも影響を与えます。
肌合わせをすれば、既存塗装面と補修箇所との見た目の違和感が少なくなり、既存建物のデザイン性をより活かすことが可能となります。
「肌合わせ」で模様が再現されないケースもある
既存と同様の方法で模様を付けるのが最も再現性の高い方法ですが、必ずしも既存と同様の方法で肌合せが実施されるとも限りません。
既存がローラー塗装の場合
既存の塗装面がローラー塗りの場合、原則ローラーで塗装をおこないます。
同じ方法で塗装をするので、既存と同じ模様が再現できます。
既存が吹き付け塗装の場合
既存の塗装面が吹き付け塗装によって付けられた模様の場合、補修の範囲によって、吹き付け塗装またはローラー塗装をおこないます。
<補修箇所が広範囲・大面積>
一面を塗り替えるようなケースであれば、既存と同じ吹き付け塗装で肌合わせをするのが最適です。
<補修箇所が小さい・中程度の範囲・小面積>
コストや作業効率の観点から、ローラー塗装で済ませることも一般的です。
この場合の肌合せは、あくまでも周囲となじませる作業となり、既存の模様が再現されるわけではありません。
従来の肌合わせのデメリットを解消した『魔法ローラー』
従来、肌合わせにおいて、吹き付け塗装でしか再現ができなかった「リシン」や「ヘッドカット」の模様を、ローラーでも簡単に再現させることができるようにしたのが『魔法ローラー』です。
株式会社ヤグチ技工様から発売されている商品で、塗装工事業者さんの中でも話題のローラーです。
上が「リシン模様」、下が「ヘッドカット模様」。
魔法ローラーは、このようにローラー自体に吹け付け柄が施されており、ローラーを転がすだけで、スプレーガンで吹き付けたような模様を簡単に再現することが可能です。
中は中空になっておりウールローラーをそのまま差し込めるようになっています。
ローラーは簡単に取り外しができ、洗って繰り返し使用することが可能です。
魔法ローラーの施工の様子
今回、補修工事を実施したのは共用部の廊下にある手摺壁。
既存の塗装面は吹き付け塗装のヘッドカット模様をしています。
施工前
下地補修後の補修面に下塗り(シーラーの塗布)を行い、フィラーを均一に配り塗りした状態。
既存の模様(茶色い部分の模様)とは、見た目にも明確な違いが見受けられます。
※シーラーとは下地調整材の一種で、塗装の密着性を高めたり下地への吸い込みを抑えるために使用する。
※フィラーとは下地調整材の一種で、外壁の細かい亀裂や軽微な凸凹の隙間を埋めて平滑にするための充填剤をいいます。
施工後
配り塗りをした後、魔法ローラーに塗料用シンナーを付け、下から上に向かってローラーを転がしました。
一瞬でヘッドカット模様が再現され、既存の模様と見分けがつかないほど自然な仕上がりになりました。
ヘッドカット面・リシン面の施工
トップコートまで塗装した状態も見てみましょう。
ヘッドカット面
下地補修後
フィラーを配り塗りした後に魔法ローラーを使用
魔法ローラーを使用後
魔法ローラーを使用後(アップ)
塗装完了!
リシン面
下地補修後
フィラーを配り塗りした後に魔法ローラーを使用
魔法ローラー使用後
魔法ローラー使用後(アップ)
塗装完了!
ヘッドカット面・リシン面、どちらも補修した箇所が分からないほどの仕上がりになりました。
魔法ローラーのメリットまとめ
①仕上がり・美観の向上
従来、なじませる程度で仕上げられていた狭~中範囲の補修箇所の肌合わせにおいて、魔法ローラーを使用することで、再現性の高い模様に仕上げることが可能です。建物の美観向上へも貢献します。
②工期の短縮・省力化
スプレーガンによる吹き付け作業はコンプレッサーの準備や念入りな養生(飛散対策)が必要です。
ローラーなら機材の用意や養生の作業を軽減することができ、作業効率を高めることができます。
③ツールが技術差をカバー
スプレーガンは取り扱いが難しいため、吹き付け模様を再現するには本来熟練の技術が必要です。
魔法ローラーであれば、初心者や中堅者でも扱いやすいローラーで吹き付け仕上げ模様を再現することができます。
ベテラン職人の定年退職が進む建設業界において技術力をカバーできるツールはとても貴重です。
以上、「肌合わせ」と「魔法ローラー」についてご紹介いたしました。
このような新しいツールや技術の進化によって、お客様への品質向上だけでなく、現場スタッフの作業負担軽減や技術差の解消にもつながっています。
第一リフォームでは今後もこうした取り組みを通じて、より良い施工と安全な現場づくりを目指してまいりたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇♀️
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