アスベスト調査が義務化なのをご存知ですか!?😲
アスベスト調査が義務化なのをご存知ですか!?😲
こんにちは😄
皆さんはアスベストまたは石綿という言葉をご存知ですか?
ニュースやメディアなどで「なんとなく耳にしたことがある。」という方も多いかもしれません。
本日は、大規模修繕工事にも関わる「アスベスト調査」について、実際の現場調査の様子と共にご紹介をしていきたいと思います。
そもそも「アスベスト」って何?
※写真はアスベストのイメージ
アスベスト(石綿)とは
アスベストとは天然にできた鉱物繊維の総称のこと。「せきめん」や「いしわた」とも呼ばれます。
形状は極めて細い繊維状で、その細さは髪の毛の5000分の1。軽く、様々な形に加工しやすい上、熱、摩擦、酸やアルカリに強く、丈夫で変化しにくい特性を持っています。
こうした優れた性質から、アスベストは高度経済成長期において、耐火や断熱を目的とした建材として数多くの建物に使用されることとなりました。
ところがその後、空気中に飛散したアスベストを人が吸い込むことで「肺がん」や「中皮腫」を誘発することが判明します。
1975年には法改正が行われ、段階的に規制が進み2006年にはアスベストを含む建材の使用が全面禁止となりました。
大規模修繕工事における「アスベスト調査」とは?
アスベスト調査とは
建物外壁等の仕上塗材にアスベストが含有しているかの状況を把握するための調査のことをアスベスト調査といいます。
建物の耐火壁、天井、軒天、外壁、間仕切りなど様々な場所の建材製品として使用されてきたアスベストは、一見しただけではアスベスト含有の判断をすることが難しく、アスベスト含有状況の正確な情報を把握するためには専門的な調査が不可欠です。
調査の結果、建材にアスベストが含まれていた場合は、石綿飛散防止対策の実施、都道府県などにその調査結果の報告を行う必要があります。(調査結果の報告は2022年4月1日以降より義務付け)
なお、アスベストの使用が法律で全面使用禁止された2006年9月1日以降に建てられた建物は、原則としてアスベスト調査は不要とされています。
大規模修繕工事の前にアスベスト調査が必要な理由
※写真はドリルで壁に穴を開けるイメージ
大規模修繕工事は建物を補修するため、ドリルで壁に穴をあけたり、塗材を剥がしたり、といった工事が行われます。この時、削り取られた塗材や仕上げ材が空気中に飛散します。
もし、アスベストが含有していた場合、削り取られた塗材や仕上げ材の粉塵と一緒にアスベストが周囲に飛散する恐れがあります。
そのため、大規模修繕工事を行う前には、建物の建材にアスベストが含有されているかどうかを調査し、アスベストが含有していた場合には、法令に基づいた適切なアスベスト対策を講じた上で作業を進める必要があります。
「アスベスト調査」って具体的にどんなことをするの?
1. 書面調査
まず初めに設計図面、竣工図面、工事記録などの書類をもとに書面調査を実施します。
建物が何年に建築されたのか、建築時に使用された建材にアスベストが含有している可能性はあるか、建物改修の履歴や改修時に使用された建材の種類などを確認していきます。
たとえば、2006年9月1日以後に着工した建築物であると確認できれば、原則、石綿含有建材が使用されていないと判断することができます。
一方で、それ以前に着工した建築物の場合は、アスベストを含む建材が使用されている可能性があるため、書面情報から使用された建材の種類や使用されている箇所などの特定を進めます。
こうした書面調査をすることで、次の工程となる「現地での目視調査」や「試料採取」がより効率的に実施できるようになります。
2.目視調査・確認
書面調査の後は、現地にて対象となる建材の目視調査を行います。
書類上に記載がない改修工事や増築工事が行われていることもあるため、現地での目視調査は欠かせません。
アスベスト吹き付け施工のように見た目でアスベスト含有の有無をある程度判断できることもありますが、多くの場合は外観だけでは判断が難しいのが実情です。
今回の現場でも、目視による判断が困難であったため、建材の一部を採取し分析調査を行うこととなりました。
3.試料採取
ハンマーやスクレーパーを使って試料(塗材)を採取します。
霧吹きなどを用い、削り取る箇所をあらかじめ湿潤させ、粉塵を飛散させないようにしながら、一定の範囲の塗材を削り取ります。
この時、削り取った試料が飛散しないよう、周囲をテープで養生し、袋の中に試料が入るようにしています。
削り取った箇所に飛散防止剤を塗布し、塗材が飛散しないようにします。
写真は試料(塗材)を削り取った後の状態。
4.保管
採取した試料はポリ袋やジップロックに入れ保管します。
通常、試料採取は一か所だけでなく複数個所の資料を採取し保管します。
この現場も全3か所で資料採取・保管を行いました。なお、試料を採取する箇所や数量は建物の床面積や建材の使用範囲によっても変わります。
5.運搬
各箇所で採取した試料を調査機関に持ち込みます。
6.分析
各調査機関に持ち込まれた試料は、厚生労働省の示す方法(JIS A1481)によって分析されます。
7.結果報告
試料の提出から約2週間~1か月で調査機関から分析結果が記載された報告書が届きます。
報告書により「アスベスト含有の有無」、「含有の割合」、「含有されていたアスベストの種類」など詳細情報を知ることができます。
ちなみに、今回の現場の調査では「アスベストは含有されていない」という結果でした😊
大規模修繕工事で、もしアスベストの含有が確認されたら?
アスベスト調査の結果、アスベストが含有していると判明した場合は、作業開始の14日前までに所定の届出を行う必要があります。
その後は、厚生労働省の「石綿則に基づく事前調査のアスベスト分析マニュアル」に則った形で作業員はもちろん、居住者様や近隣住民の方々の安全に配慮しながら、慎重に作業を進めていくことになります。
「アスベスト含有」と聞くと、「怖い」、「不安」というイメージが先行してしまうかもしれませんが、事前にきちんと調査を行い適切な対策を講じることで、安全を確保しながら大規模修繕工事を進めることが可能です。
以上、大規模修繕に関わるアスベスト調査についてご紹介させていただきました。
最後までご覧いただきありがとうございます🙇♀️
アスベストに限らず、大規模修繕工事をするにあたって不安な点や相談がございましたらぜひ気軽にお問い合わせくださいね。
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「大規模修繕に関する知識をもっと知りたい」「大規模修繕の施工事例を見てみたい」「まずは概算費用を知りたい」という方は、こちらのページもぜひ参考にしてみて下さいね😊✨
▶第一リフォームの特徴
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記事を作成する際に参考にさせていただいたたサイト
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環境省 「石綿(アスベスト)って何?石綿による健康被害って何?」 2022.2.24アクセス
http://www.env.go.jp/air/asbestos/index4.html
環境省 「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル(令和3年3月)」2022.2.24アクセス
https://www.env.go.jp/air/asbestos/post_71.html