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【現場レポ】ウレタン防水~通気緩衝工法~

現場レポート

ウレタン防水~通気緩衝工法~




こんにちは。
本日は東京都豊島区の個人医院で実施した屋上防水工事(ウレタン防水通気緩衝工法)の様子をお届けしたいと思います✨

ウレタン防水とは

ウレタン防水工事をしている様子

ウレタン防水(ウレタン塗膜防水)とは、ウレタン樹脂を流し込むことによって、継ぎ目のないシームレスな防水層を形成することができる防水工事の施工方法の一つです。
液状のウレタン樹脂を流し込んで防水層を形成するので、狭小部や複雑な形状にも施工することが可能です。

短期間で施工可能な上、オーバーレイ(既存の防水層の上にそのまま施工できる)工法で既存防水層の撤去によるゴミの排出がないため環境にも優しく、ライフサイクルコストが低減できるとして、昨今、主流とされる防水工法です。



ウレタン防水の密着工法・通気緩衝工法とは?

実はウレタン防水の中でも密着工法と通気緩衝工法という大きく二つの工法に分けることができます。

密着工法

密着工法は既存の下地に直接ウレタン防水材を塗布する工法。
主に既存がウレタン防水で比較的既存下地の状態がよい場合などで選定されます。

密着工法の中でも、防水層の強度を高めるために補強となるメッシュ素材をウレタン防水層の間に挟み込む工法はメッシュ工法と呼ばれ、メッシュあり・なしが区別されます。

密着工法のメリットは工期が短く、工事費を安く抑えられること。
デメリットは、下地に直接ウレタン防水材を塗布するため下地の影響を受けやすく、防水層のひび割れやふくれが発生しやすいといった点があります。



通気緩衝工法

既存の下地の上に通気性のある通気緩衝シートを貼り付け、その上からウレタン防水材を塗布する工法。絶縁工法とも呼ばれます。
主に既存がアスファルト防水、押さえコンクリートといった場合に選定されます。

下地から発生した水分(水蒸気)が通気緩衝シートを通じ脱気筒から排出されるので、防水層のふくれが発生しづらく、また、シートが下地の動きに緩衝することでひび割れや破断が発生しづらいというメリットがあります。
密着工法に比べると通気緩衝シートや脱気筒を設置する分、工期が長く、コストも高くなります。




既存防水はどのような状態?工法は?

既存の状態を確認すると、平場が「露出アスファルト防水」、立ち上がりが「ウレタン防水」と、箇所によって施工方法が異なる状況でした。

そのため今回は、露出アスファルト防水、ウレタン防水のどちらの既存下地にも適用ができるウレタン防水材「エバーコートZero-1H」(ダイフレックス製)を用いた「通気緩衝工法」を採用することになりました。



通気緩衝工法の施工の流れ

1.下地調整

まず初めに、下地調整を行います。

下地調整とはゴミや汚れを撤去し、欠損部や膨れなどがあった場合はそれらを調整し表面を平滑に整えていく作業のこと。

下地に汚れが付着していたり、膨れや破れなどで荒れている状態ではシートをきれいに密着させることができないので、しっかり下地調整を行います。

こちらが施工前の状態です。経年劣化によりひび割れや膨れが生じています。



露出アスファルト防水は通常 下地 → 断熱材 → アスファルト防水 の順で層になっています。
経年により断熱材が湿気を吸ってたわんでしまったり、アスファルトが断熱材から剥がれて浮いてしまうことで、このような「膨れ」が生じます。
大きな膨れが確認できた箇所。



膨れている部分に切り込みを入れ、余分な湿気や空気を取り除きます。



焼き戻しといわれる作業工程。
バーナーを使って接着面をあぶることで、アスファルトが溶け、接着力が戻ります。

開口した部分を加熱し、しっかり密着させます。ふくれがなくなり、下地を平滑にすることができました。




2.下地剤塗布

次にアスファルトの素地に適した下地剤を塗布していきます。
下地剤を塗ることで下地とシートの密着強度を増すことができます。



今回の現場では、既存の立ち上がり部分がウレタン防水(密着工法)、平場がアスファルト防水だったので、立ち上がり部には密着工法で使用する下地を塗布しました。

立ち上がり部を下地塗布した後の様子。塗布した直後は白色ですが、乾くと透明になっていきます。



全面に下地を塗り終わりました。下地が乾いたら通気緩衝シート(自着シート)を貼り付けていきます。


3.通気緩衝シート(自着シート)貼り付け

下地に自着シートを貼っていきます。
今回はダイフレックスの製品を使用しています。
シートは一巻き1m×15m。ロール状になっており、片面はシールになっています。


シートを貼り付ける位置を確認したら、平場の端から1/3程までシートを広げ、裏面にカッターで薄く切り込みをいれ、シール面に付いた剥離紙をはがします。

はがした剥離紙がシートに巻き込まれないように持ち上げながら剥がしていきます。
屋上の中央から端の方向へ向かって、真っすぐシートを貼り付けていきます。


1枚貼り終えたら、続けてシートをはりつけていきます。
先に貼り付けたシートと次のシートの線を合わせ、継ぎ目が重なるように並べ、同様にはりつけていきます。




この日は3人で連携をとりながら作業を進め、屋上全体の作業が1~2時間で完了しました。
これにて自着シートの貼り付け完了です!




4.ウレタン施工

ウレタン防水材塗布(1層目)→ ウレタン防水材塗布(2層目) → トップコート塗布 の順で施工していきます。


立ち上がり部のウレタン1層目を塗布した状態。



立ち上がり部が塗り終わったら、平場の施工に入ります。ウレタン防水材を塗布していきます(1層目)



防水材を均一に素早く広げていきます。
コテを使って素早く防水材を広げていく様子は何度見ても「すごいなぁ」と圧倒されてしまいます。
職人さんの熟練の技が光りますね!



平場の最後の部分。足を最後に置く位置を考えながら塗っていきます。



ウレタン1層目の施工が完了しました。



乾燥後、ウレタン2層目、トップコートを塗って完成となります。
完成後の様子がこちらです。



BEFORE・AFTER

施工前後の様子を比較してみましょう。



写真で比べて見ると、その差は歴然!とってもキレイに仕上がりました!


防水工事を行うことで、建物への雨水の侵入を防ぎ躯体を保護し長持ちさせることが可能です。
「自分が住んでいる建物の屋上がどうなっているか不安」
「そろそろ防水工事を考えているけど、どこの業者に依頼したらいいか分からない」
など、気になることがあれば気軽にお問合せください😉

以上、今回は屋上防水工事のウレタン防水・通気緩衝工法のレポートをお届けしました。
最後までご覧いただきありがとうございました。



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